誰に継がせるかでも、どう節税するかでもない。
築いた資産を、目的に沿ってどう守り切るか——それが事業承継です。
「事業承継 熊本」で検索すると、支援センター、銀行、弁護士、M&A仲介——たくさんの相談先が並びます。書かれていることも、だいたい同じです。早めに始めましょう。後継者を決めましょう。株価を下げて、税金を抑えましょう。
どれも間違いではありません。けれど、この記事は事業承継の手続き解説ではありません。お伝えしたいのは、もっと手前のことです。事業承継とは突き詰めれば、社長が一代で築いた資産を、目的に沿ってどう守り切るかという“資産防衛”の話です。後継者選びも、節税も、その資産を守るための手段にすぎません。順番を間違えると、本来残せたはずの資産が、静かに削れていきます。
前半は、そのとおりです。事業承継は時間がかかります。元気なうちに動き出すべき——ここは私たちも完全に同意します。
問題は、その「早く始めるべきこと」の中身です。多くの相談先は、それを後継者決めや株価対策といった“手続き”だと言います。でも、後継者も株価も、まだ早すぎます。会社と社長個人のお金が、今いくらで、どこにどう積み上がっているのか。それが見えていない状態で手続きから入ると、土台のない家を建てることになります。
早く始めるべきは、手続きではない。財務の現状把握と、出口の設計だ。
会社の数字と、社長個人の資産を一枚の絵にして、今の全体像をつかむ。そして、この資産を最終的にどこへ着地させたいのか——出口を先に描く。早く始めるべきは、これです。現状と出口さえ早く固めれば、後継者も節税も、後から正しい順番で乗ってきます。逆に言えば、ここを飛ばして急いだ承継ほど、後で資産を削ります。
ここは、はっきり申し上げます。この順番では、資産は守れません。誰に渡すか・どう節税するかから入ると、目先の税額は減っても、社長が本当に望んでいた形から外れていく。木を見て、森を失う典型です。
正しい順番は、真逆です。
資産をどうしたいか。突き詰めると、選択肢は大きく4つです。どれが正解ということはありません。社長ご自身が、自分の人生として選ぶものです。
この目的が決まらないまま「とりあえず節税」から動くから、ちぐはぐになるのです。夫婦で使い切るつもりの人が、孫まで残す前提の節税スキームを組んでも意味がない。逆に、100年残したい人が目先の税額だけで判断すれば、肝心の資産が次へ渡る前に痩せていく。
節税という木を見て、資産という森を失うな。
そして、これは言い切ります。目的から入って節税で締めるこの順番のほうが、結果として手元に残る資産は大きくなります。業界は節税から入る。私たちは目的から入る。入口が真逆だから、出口で残る額が変わるのです。
ここまでをひとことで言えば、こうなります。事業承継とは、社長が築いた資産を、目的に沿って守り切る“資産防衛”です。後継者選びも、株価対策も、節税も、すべてはその資産防衛の中の手段にすぎません。
手段から入れば、資産は削れる。目的から設計すれば、資産は守れる。順番ひとつで、社長が一代でつくり上げたものの行き先が変わります。私たちが熊本で、そして福岡・佐賀でお手伝いしているのは、この一点です。会社の数字と個人の資産をひとつの絵にまとめ、出口まで描き、正しい順番で守り切ること。
いきなり手続きや節税の話はしません。社長ご自身が、この資産を最終的にどうしたいのか。その目的を言葉にするところから始めます。熊本市の事務所での面談も、オンラインでのご相談も承っています。
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